[Jira Software] クラウド型タスク管理ツールのカスタマイズ方法

Jira Softwareで作成した「クラウド型タスク管理ツール」をカスタマイズします。

カスタマイズを通して、Jira Softwareのプロジェクト設定を解説します。
製品に触れたことが無い方にも、イメージを掴むための一助になれば幸いです。
作業は、すべてパソコン側での実施になります。

次の記事で作成したツールを、実際にカスタマイズしていきます。

目次

Jiraプロジェクトの特長

スキームとは

特長の一つに「スキーム」が挙げられます。
日本語の「枠組み」に近いです。

作成した画面やワークフローは、まず、スキームに定義します。
その後で、そのスキームをプロジェクトに設定します。

EIICHI

テンプレートで作成したプロジェクトでも同様です。
テンプレートに応じて、システムが予め定義されている中から適切なスキームを選んで、プロジェクトに設定しています。

スキームの確認

プロジェクト設定画面を表示します。
スキームは、サイドバーの「要約」から確認できます。

課題タイプ、ワークフロー、画面、フィールドに、スキームが設定されています。
また、権限、通知に設定されているのもスキームです。

画面のカスタマイズ

スキームを辿って、画面をカスタマイズする方法を解説します。

現状の画面

まずは、現状の確認です。
現状は次のように表示されています。

Jiraモバイルアプリ
パソコンのブラウザ

「報告者」と「Start Date」「時間管理」関連のフィールドが不要なので、画面から削除することにします。

画面の設定確認

プロジェクト設定画面を表示します。
サイドバーの「画面」から、内容を確認できます。

スキームの内容について詳しく解説します。

画面スキームの名称は「LEGO: Personal task planner screen scheme」です。
画面スキームは、二つの画面で構成されています。
※ 編集と表示は同じ画面を使用しています。

  • 課題の作成:LEGO: Personal task planner create issue screen
  • 課題の編集:LEGO: Personal task planner edit/view issue screen
  • 課題の表示:LEGO: Personal task planner edit/view issue screen

これらの画面を編集して、不要なフィールドを削除します。

EIICHI

画面からフィールドを削除しても、フィールド自体は削除されません。

画面の編集

編集したい画面の画面名をクリックすると、編集画面が表示されます。
フィールドの追加、削除、並び替えができます。
削除したいフィールドにカーソルを置くと「削除」の文字が表示されます。

作成画面で「報告者」と「Start date」を削除して、フィールドを並び替えました。
編集/表示画面でも、同じように編集しました。
なお、「時間管理」関連の設定は無かったので、削除不要でした。

EIICHI

課題タイプ、要約、説明は、ここで並び替えても、システムで並びが決められているため、残念ながら反映されません。

ここまでの作業で課題を表示してみると、まだ「報告者」が表示されています。
これには理由があります。

「報告者」はシステムフィールドであり、Jiraが課題の作成者を入力しています。
また、Jiraには、画面に設定がなくても値があれば表示する仕様もあります。
画面から入力しなくても常に値が入っているので、表示されることになります。

同様に、システムフィールドの「時間の管理」関連も画面にはありませんが、課題には表示されています。

そこで、これらのフィールドを、設定で非表示にすることにします。

フィールドのカスタマイズ

フィールドの設定確認

「報告者」と「時間の管理」関連が表示されないよう、設定で非表示にします。

プロジェクト設定画面を表示します。
サイドバーの「フィールド」から、内容を確認できます。

システム既定のフィールド設定を使用していることが分かります。
このまま変更すると、使用中のすべてのプロジェクトに影響が出てしまいます。

今回は、仕組みの解説を兼ねた方法で対応します。
「報告者」と「時間の管理」を非表示にしたスキームを新しく作成して、システム既定のフィールド設定と差し替えることにします。

新規スキームの作成

操作は、システム管理者用の設定(右上の歯車アイコン)から行います。
プルダウンメニューから「課題」を選択してください。

サイドバーの「フィールド構成」をクリック。
「Default Field Configuration」のコピーを作成します。
名前は「LEGO: Personal task planner Field Configuration」にしました。

次に、これを課題タイプと紐づけたフィールド構成スキームを作成します。

サイドバーの「フィールド構成スキーム」をクリック。
画面右上の「フィールド設定スキームを追加」をクリックします。
名前は「LEGO: Personal task planner Field Configuration Scheme」にしました。

次の画面で「課題タイプをフィールド設定に関連付け」をクリック。
使用するフィールド構成に、先ほど作成した「LEGO: Personal task planner Field Configuration」を選択して「更新」をクリックします。

完成したスキームのフィールド「報告者」と「時間の管理」を、非表示に変更します。
サイドバーの「フィールド構成」をクリック。
「LEGO: Personal task planner Field Configuration」のアクション欄の「設定」をクリックします。

「検索ボックス」から「報告者」を検索。
アクション欄の「非表示」をクリックします。

同様に「時間の管理」を検索して、非表示に変更します。

以上で、「報告者」と「時間管理」を非表示にした新しいスキームが作成できました。
後は、システム既定のフィールド設定と差し替えるだけです。

新規スキームへの差し替え

プロジェクト設定画面に戻って、フィールド設定スキームを差し替えます。

プロジェクト設定画面を表示します。
サイドバーの「フィールド」をクリックします。

アクションから「別のスキームを使用」をクリックします。

スキームのプルダウンメニューから、作成した「LEGO: Personal task planner Field Configuration Scheme」を選択して、「関連付け」をクリックします。

これで、スキームの差し替えも終わりました。

カスタマイズした結果の確認

カスタマイズした結果を確認します。

課題の作成画面

スマホもパソコンも、意図した通りのフィールド構成になっています。
システム上重要なフィールドは、必ずしも画面で定義した並び順ではありませんが、一般のフィールドは画面で指定した並びになっています。

Jiraモバイルアプリ
パソコンのブラウザ

課題の編集/表示画面

スマホもパソコンも、意図した通りのフィールド構成になっています。
通常は表示される「報告者」と「時間の管理」関連のフィールドもありません。

Jiraモバイルアプリ
パソコンのブラウザ

おわりに

スキームは、プロジェクト設定の変更時に大きな効果を発揮します。

複製を作れば、変更を加えていくベースになります。
テストプロジェクトに設定すれば、簡単にテスト環境が出来上がります。
リリースも、本番プロジェクトの現在のスキームと差し替えるだけです。
複数プロジェクトで共有していれば、一斉に変更することも可能です。

スキームの特長ばかりを強調しましたが、不便な点もあります。

プロジェクトを削除しても、スキームは一緒に削除してくれません。
共有していないスキームでも、確認されることなくもなく残されます。
はっきり言って、作りっ放しです(苦笑)

良さそうなテンプレートが沢山あるので試したくなります。
ですが、プロジェクトを削除するたび、ゴミになるのでウンザリします。
今回の検証では、面倒なので何度もインスタンスごと削除しました!!

最後までご覧いただき、ありがとうございます。
また次の記事で、お会いしましょう。

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