AWS EC2にBitnami Redmineをインストールして、公開する方法を紹介します。
インスタンスの作成から公開まで約30分ほどで完成します。
Redmineがインストールされた有料のAmazonマシンイメージ(AMI)もありますが、自分でインストールすれば、アカウントに付いている一年間の無料利用枠(750時間/月)を、有効活用できます。
EC2インスタンスの作成
AWSにログイン後、EC2に移動して[インスタンス作成]をクリックします。
マシンイメージの決定
最初に、Amazonマシンイメージ(OS)を決定します。対象を無料利用枠に絞り込むには、サイドバーの「無料利用枠のみ」にチェックを入れてください。
今回は無料利用枠の中から「Microft Windows Server 2012 R2 Base」を選択しました。
インスタンスタイプの選択
次に、インスタンスタイプを選択します。今回は無料利用枠の「t2.micro」を選択しました。
ここで[確認と作成]ボタンをクリックすると、以降の手順はスキップ(規定値が適用)されてしまいます。[次の手順:インスタンスの詳細の設定]ボタンをクリックしましょう。
インスタンスの詳細設定
インスタンスの詳細設定は規定値のままで大丈夫です。[次の手順:ストレージの追加]をクリックします。
ストレージの追加
ストレージのサイズを設定します。「Microft Windows Server 2012 R2 Base」のスナップショットは30GBあるため、無料利用枠上限一杯の30GBが必要になります。
そのまま[次の手順:インスタンスのタグ付け]をクリックします。
インスタンスのタグ付け
「RedmineServer」などの値を入力したら、[次の手順:セキュリティグループの設定]をクリックします。
セキュリティグループの設定
[ルールの追加]ボタンをクリックして、セキュリティグループに「HTTP」を追加してください。(規定値のRDPは必要ですので消さないでください。)
送信元は、ご自分のPCなど既知のIPに絞れる場合は設定します。
インスタンス作成の確認
設定を確認してOKであれば、[作成]ボタンをクリックします。
キーペアの作成
リモートデスクトップの認証で必要となるキーペアを作成します。
キーペア名を入力して、[キーペアのダウンロード]ボタンをクリックしてください。ダウンロードしたファイル(拡張子pem)は、この後使用するので大切に管理してください。
ダウンロードしたら[インスタンスの作成]ボタンをクリックします。
インスタンスの作成
インスタンスの作成が開始されます。この間5分程度ありますので、最新の「Bitnami Redmine、 Stack」のインストーラーをダウンロードしておきましょう。
インスタンスのステータスチェックが2/2になれば、仮想サーバーの完成です。
Windowsサーバーへのリモートデスクトップ接続
Windows PCであれば標準でインストールされている「リモートデスクトップ」を使って、EC2インスタンスのWindowsサーバーに接続します。
パスワードの取得
接続するEC2インスタンスを選択して[接続]ボタンをクリックすると、次のような画面が表示されます。[パスワードの取得]ボタンをクリックしてください。
参照ボタンをクリックして、インスタンスを作成するときにダウンロードした拡張子pemのファイル(上に名前が出ています)を選択します。
[パスワードの暗号化]ボタンをクリックして、暗号化された短いパスワードを作成します。この画面で表示されている「パブリックDNS」「ユーザー名」「パスワード」は接続で使用するので、どこかに控えておいてください。
リモートデスクトップの起動
「Windows10にアップデートしてから所在がわからなくなった」「メニューから消えた」という方は(ぼくもそうですが)、画面左下のCortanaに「リモート」と入力すると、ショートカットが表示されるので、そこから起動してください。
右クリックからタスクバーやスタート画面にピン留めしておくと、次から便利です。
コンピューター名の入力
起動したらコンピューター名に「パブリックDNS」を入力して、[接続]ボタンをクリックします。
資格情報の入力
次に、先ほど取得した「ユーザー名」と「パスワード」を入力して、[OK]ボタンをクリックします。資格情報を記憶しておくと次回から入力は不要です。
警告画面が表示されるので、「このコンピューターへの接続について今後確認しない」にチェックを入れて、[はい]ボタンをクリックします。
しばらくすると、仮想サーバーのディスクトップが表示されます。
HTTPポートの開放
ログインしたついでに、HTTPのポート(80)を開放しておきます。
Server Managerの起動
タスクバーから「Server Manager」を起動します。
Windowsファイアウォールの表示
サイドバーの「Local Server」をクリックして、「Windows Firewall」のリンクをクリックします。
新しいインバウンドルールの作成
右側にある「Advanced Settings」をクリックします。
左のサイドバーの「Inbound Rules」をクリックします。
右側のサイドバーから「New Rule…」をクリックします。
「Port」を選択して、[Next >]ボタンをクリックします。
「TCP」が選択されていることを確認して、「Specific local ports」にHTTPのポート番号「80」を入力します。入力が終わったら[Next >]ボタンをクリックします。
「Allow the connection」が選択されていることを確認して、[Next >]ボタンをクリックします。
すべてにチェックが入っていることを確認して[Next >]ボタンをクリックします。
このルールに名前を付けます。分かりやすいように「Redmine」としました。
入力が終わったら[Finish]ボタンをクリックします。
新しく作成したルール「Redmine」が有効になりました。
Redmineのインストール
引き続きリモートデスクトップを使用して、Redmineをインストールします。
インストーラーのコピー
ローカルPCにダウンロードしておいた「Bitnami Redmine Stack」のインストーラーを[Ctrl+C]でコピーして、リモートデスクトップ上に[Ctrl+V]でペーストします。
7、8分かかるので、そのままお待ちください。[PrintScreen]などの操作をすると、途中で中断してしまいます。(このハードコピーの取得で判明しました。。。)
インストール
ペーストが無事完了したら、インストーラーを起動してインストールします。
「This PC」の「Local Disk」の下にフォルダを作成してインストールしました。
Redmineを初めてインストールされる方は、次の記事を参考にしてください。
アクセスの確認
インストールしたRedmineにアクセスできるか、確認します。
Windowsサーバー内からのアクセス
先ずは、Windowsサーバー内からアクセスしてみます。
インストールが終わったら、「Redmine アプリケーション起動」にチェックが入っていることを確認して、[終了]ボタンをクリックします。
Webブラウザが起動するので、「Access Redmine」をクリックします。
信頼できるアクセス先か確認する警告が出るので、以降警告が出ないように[Add…]ボタンをクリックして登録します。
[Add]ボタンをクリックして登録後、[Close]ボタンをクリックします。
無事、Redmineの画面が表示されました。
ローカルPCからのアクセス
ローカルPCのWebブラウザを起動して、EC2インスタンスのパブリックDNSにHttpプロトコルでアクセスしてみます。
http://ec2-xx-xx-xx-xx.us-west-2.compute.amazonaws.com/ ※xx-xx-xx-xxはパブリックIPです。
Redmineに直接アクセスするには後ろに「redmine」をつけます。
http://ec2-xx-xx-xx-xx.us-west-2.compute.amazonaws.com/redmine/ ※xx-xx-xx-xxはパブリックIPです。
まとめ
Amazon Web Service(AWS)を利用すれば、とても簡単にクラウドなRedmineサーバーを公開することができます。無料利用枠では色々制限があるものの、個人用Redmineとしてなら、ソコソコ使えそうです。
コメント