Bitnamiによる「Bitnami Redmine Stack for Windows」の提供が終了したあとも、しばらくはサポートの「Bitnami Community」からダウンロードすることができました。
しかし現在は、該当URLにアクセスしてもファイルは取得できず、Broadcom Bitnami Developer Centerのトップページにリダイレクトされてしまいます。
※ログインしていても状況は変わりません。
ダウンロードできなくなった背景
Bitnamiはもともと、Redmineなどのオープンソースソフトを簡単に導入できる「スタック」として、WindowsやMac環境向けのインストーラーを多数提供していました。
しかし近年の企業買収の流れの中で、方針が大きく変化しています。
- 2019年5月:Bitnamiが VMware に買収される
- 2023年11月:VMwareが Broadcom に買収される
- この流れを受けて、Bitnamiは クラウド・仮想化環境に注力する方向へシフト
結果として、各OS向けインストーラーの配布は停止され、現在ではDockerや仮想マシンでの利用が推奨されています。
ダウンロードできない理由(推測含む)
Bitnami側で公式なアナウンスはありませんが、以下の理由が考えられます。
- 旧バージョンのセキュリティ維持が困難
- DockerやKubernetesなど、モダンな運用方法への移行を推進
- Windows用インストーラーの需要減少
- VMwareおよびBroadcomの方針による製品ラインの整理
そのため、旧バージョンのインストーラーはダウンロードできなくしたようです。
代替手段:これからRedmineを使うには?
今後、Bitnami Redmineを導入する場合、以下の方法が推奨されます。
Docker版を利用する(最も手軽)
- コマンド一つで起動:手軽にRedmineを使いたい場合、Dockerを利用するのが最も簡単。
- 設定ファイルの管理:データをボリュームとして保存することで、コンテナ再起動後もデータが保持される。
- 複数のプラットフォーム対応:Windows、Mac、Linuxいずれの環境でも利用可能。
- 最新版を簡単にアップデート:
docker pull
コマンドで最新のRedmineバージョンをすぐに利用できる。 - 柔軟なカスタマイズ:必要に応じてプラグインやカスタム設定をDockerコンテナ内に追加することが可能。
仮想マシン(VM)版を使う
- Bitnami公式でOVA形式の仮想マシンイメージも配布中:仮想マシンとしてRedmineを簡単に起動できる。
- VirtualBoxやVMwareで簡単に起動可能:インストール後、すぐにRedmine環境を立ち上げることができる。
- ハードウェアリソースの分離:他のアプリケーションやサービスと独立した環境で動作する。
- 安定性が高い:仮想マシンは独立したシステムとして動作するため、システムの安定性が高い。
Redmine公式から手動インストール
- Ruby on RailsやMySQLの構築が必要:上級者向けの手動インストール方法。必要なソフトウェアを個別にインストールする。
- プラグインなどの自由度は最も高い:自分で環境を構築することで、より細かなカスタマイズや設定が可能。
- インストール手順が複雑:初期設定やトラブルシューティングが少し難易度が高いため、経験者向け。
- 最適化が可能:必要な部分だけを選んでインストールすることができるため、リソースの節約や最適化が可能。
まとめ
VMwareおよびBroadcomの方針により、「Bitnami Community」からは、サポートが終了した「Bitnami Redmine Stack for Windows」の旧バージョンをダウンロードすることができなくなりました。そのため、今後Bitnami Redmineを導入する場合、Dockerや仮想マシンを使用することを検討せざるを得ない状況となります。
Dockerや仮想マシンの導入には、最初は少し敷居が高いと感じるかもしれません。しかし、これらの方法は、インストーラーに比べて格段に安全で効率的な選択肢と言えます。仮想マシン環境内で設定を変更しても、ホストPCには影響がないため、安心して運用を続けることができます。これにより、今後のシステムの安定性も大いに向上しますので、ぜひ前向きに検討いただければと思います。