【Geminiの回答】2つの万博から見えてくる社会の成熟について

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Googleが開発したAIモデル「Gemini」に、時代背景が異なる二つの万博を比較することで見えてくる社会の成熟について、いくつか質問してみました。

興味深い回答が得られたので、記事にしておきます。

目次

データ比較

EIICHI

Gemini、1970年大阪万博と2025年大阪関西万博をデータで比較してください。

Gemini

1970年の大阪万博と2025年の大阪・関西万博のデータを比較表にまとめました。

項目1970年 大阪万博2025年 大阪・関西万博
正式名称日本万国博覧会
(EXPO’70)
2025年日本国際博覧会
(大阪・関西万博)
開催期間1970年3月15日〜9月13日
(183日間)
2025年4月13日〜10月13日
(184日間)
開催場所大阪府吹田市 千里丘陵大阪府大阪市 夢洲(ゆめしま)
テーマ「人類の進歩と調和」「いのち輝く未来社会のデザイン」
サブテーマ(なし)「Saving Lives(いのちを救う)」
「Empowering Lives(いのちに力を与える)」
「Connecting Lives(いのちをつなぐ)」
参加国・機関77カ国、4国際機関など158カ国、9国際機関など(予定)
会場面積約330ヘクタール約155ヘクタール
来場者数目標:3,000万人
実績:約6,421万人
目標:約2,820万人
最高来場者数1日83万6千人
(1970年9月5日)
未定
時代背景高度経済成長期、未来への希望成熟社会、SDGs、多様性

補足

  • 来場者数:1970年万博は当初の目標3,000万人を大きく上回る来場者数を記録し、万博史上でも有数の成功を収めました。一方、2025年万博は目標来場者数として2,820万人を掲げています。
  • 会場面積:1970年の会場(現在の万博記念公園)は広大でしたが、2025年の夢洲は1970年より小さい規模です。
  • テーマ:1970年万博は高度な技術を「見せる」ことで「人類の進歩」を象徴するものでしたが、2025年万博は持続可能な社会や多様な生き方を「体験」し、「いのち」を考える場となることを目指しています。

それぞれの万博の良さ

EIICHI

2025大阪・関西万博と比較して、1970年大阪万博の良さを教えてください。

Gemini

1970年の大阪万博と2025年の大阪・関西万博を比較して、どちらが良いかを一概に言うことは難しいですが、それぞれの時代背景と目的から、それぞれの良さを挙げることができます。

1970年大阪万博の「良さ」

1. 高度経済成長期の象徴としての高揚感と熱気

  • 1970年万博は、日本の高度経済成長期の真っただ中に開催されました。日本国民全体が「未来への希望」に満ちており、その熱気が万博会場に凝縮されていました。
  • 来場者数は約6,400万人と当時の日本の人口の半分以上が訪れるという、圧倒的な盛り上がりを見せました。これは、単なるイベントを超えた社会現象でした。

2. 「未来」を提示する圧倒的な技術展示

  • 1970年のテーマは「人類の進歩と調和」。ワイヤレステレフォン、電気自動車、動く歩道など、当時の人々にとって夢のような技術が展示され、まさに「未来」を体験する場でした。
  • 特に、アメリカ館で展示された「月の石」は、来場者が長蛇の列を作ってでも見たいと思うほどの人気でした。

3. 日本の技術力と創造性のショーケース

  • 参加国は76カ国と、当時としては大規模な国際博覧会でした。
  • 各国のパビリオンの建築デザインは非常に斬新で、太陽の塔をはじめとする岡本太郎氏の芸術作品が会場を彩り、人々の創造性を刺激しました。

2025年大阪・関西万博の「良さ」

1. 「未来社会の実験場」としての先進性

  • 2025年のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。1970年が「見る」万博だったのに対し、2025年は「体験する」万博と言われています。
  • 空飛ぶクルマやAIを活用した技術、バイオテクノロジーなど、現代の最先端技術が実際に体験できる「未来社会の実験場」となることを目指しています。

2. SDGsと持続可能性への貢献

  • 2025年万博は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を強く意識しています。
  • 会場建設や運営において、再生可能エネルギーの活用や廃棄物削減など、持続可能な社会づくりへの取り組みが各所で示される予定です。

3. 経済活性化とイノベーションの起爆剤

  • 2025年万博は、会場建設やインフラ整備、観光消費など、多岐にわたる分野で経済効果を生み出すことが期待されています。
  • また、様々な分野の企業や研究機関が集まることで、新たなビジネスチャンスやイノベーション創出のきっかけとなることが期待されています。

まとめ

1970年大阪万博は、高度経済成長期の勢いと未来への希望を象徴する、圧倒的な熱気と「夢」を見せるイベントとしての良さがありました。

一方、2025年大阪・関西万博は、成熟した社会における課題を解決するための「未来社会の実験場」として、体験を通して人々に気づきや学びを与えるという点で良さがあると言えるでしょう。

成熟度とCMMI

EIICHI

では、社会の成熟度をCMMIに当てはめて考えることはできますか?

Gemini

はい、CMMIの考え方を人類の成長に当てはめて考えることは可能です。
CMMI(Capability Maturity Model Integration)は、組織やプロジェクトの成熟度を評価し、プロセス改善を促すためのフレームワークです。その5つの成熟度レベルは、個人や組織が未熟な状態から、予測可能で継続的に改善できる状態へと発展していく過程を示しており、これを人類全体の成長、あるいは個人の成長になぞらえることができます。

CMMI成熟度レベル特徴人類の成長への当てはめ
レベル1:
初期
(Initial)
プロセスがアドホック(場当たり的)で、予測不能な状態。個人の努力やヒーロー的な活躍に依存する。初期人類、あるいは乳幼児期<br>生活が安定せず、日々を生き抜くことに精一杯。個人の能力や偶然に成功が左右される段階。言葉や論理的な思考は未発達。
レベル2:
管理された
(Managed)
特定のプロジェクトレベルでプロセスが管理され、計画通りに進められるようになる。狩猟採集社会、あるいは児童期<br>集団で計画を立て、役割分担をするようになる。食料の確保や住居の管理など、基本的な生活の安定を確立する。しかし、予期せぬ事態には対応が困難。
レベル3:
定義された
(Defined)
プロセスが組織全体で標準化・文書化され、組織全体で共有される。体系的な知識と経験が蓄積される。農耕文明の確立、あるいは思春期〜青年期<br>農業技術や制度が確立し、社会全体が安定する。文字や法律が生まれ、知識が世代を超えて継承されるようになる。個人が社会のルールを学び、自分の役割を理解する。
レベル4:
定量的に管理された
(Quantitatively Managed)
プロセスが定量的なデータに基づいて管理される。客観的な指標を用いて予測や管理が行われる。産業革命以降、あるいは壮年期<br>科学技術が飛躍的に発展し、データや統計に基づいて社会の仕組みを最適化し始める。個人の能力も客観的なデータで評価されるようになり、効率性や生産性が追求される。
レベル5:
最適化
(Optimizing)
継続的な改善が組織の文化として根付いている。絶えず新しい技術やアイデアを取り入れ、プロセスそのものを革新し続ける。情報化社会以降、あるいは成熟期<br>技術革新が止まらず、社会が常に変化し続ける。過去の経験やデータに加えて、創造性やイノベーションが重視される。個人としても、常に学び続け、自分自身を更新していく段階。

結論

この比較は、CMMIが単にソフトウェア開発のモデルであるだけでなく、いかにして未熟な状態から成熟した状態へと進化するかという普遍的なプロセスを捉えていることを示唆します。

これは、個人や組織、そして人類全体の発展段階を理解する上で、非常に興味深いアナロジー(類推)として役立ちます。個人のスキルが属人化していた状態から、組織的なプロセスとして確立し、さらにそれをデータで管理・最適化していく流れは、私たちが社会として、また個人としてたどってきた進歩の道筋と重なります。

社会の成熟度を評価

EIICHI

1970年大阪万博と、2015年大阪関西万博は、テーマから考えるに、それぞれどのレベルに当てはまりますか?
理由も合わせて教えてください。

Gemini

1970年大阪万博はCMMIのレベル3(定義された)、2025年大阪・関西万博はレベル5(最適化)にそれぞれ当てはまると考えられます。

1970年大阪万博:レベル3(定義された)

1970年大阪万博のテーマは**「人類の進歩と調和」**でした。これは、当時の日本が高度経済成長を経て、科学技術の力を活用して社会を体系的に整備し、より豊かな生活を追求する段階にあったことを象徴しています。

理由:

  • 「進歩」の定義: 1970年当時、進歩とは、技術やインフラを標準化・普及させ、社会全体に恩恵をもたらすことでした。電気自動車、ワイヤレステレフォン、モノレールといった技術は、まだ特定の先進的な場所でしか見られませんでしたが、万博を通じてその技術の標準的な応用例を示し、未来の社会を定義しようとしました。
  • 「調和」の追求: 社会全体が豊かになる中で、進歩と自然や文化との「調和」という、より高次の目標を掲げました。これは、単なる技術開発の段階(レベル2)を超え、組織的・体系的に理想的な社会のあり方を定義しようとする姿勢を示しています。

2025年大阪・関西万博:レベル5(最適化)

2025年大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。これは、成熟した社会が直面する多様な課題(地球温暖化、パンデミック、分断など)に対して、継続的な改善とイノベーションを追求し、より良い未来を最適化しようとする試みです。

理由:

  • 「デザイン」の概念: 「デザイン」とは、単に物を作るだけでなく、問題を発見し、解決策を継続的に見出して改善していくプロセスを指します。万博のテーマが「デザイン」であることは、静的な完成形ではなく、絶え間ない改善と革新を志向するCMMIレベル5の特性と一致します。
  • 「いのち」を起点とした多様な課題解決: 参加者一人ひとりが、自らのいのち(ウェルビーイング、多様性、人権など)を起点に、様々な地球規模の課題に対するアイデアを出し合い、共創する場を目指しています。これは、過去の成功や標準プロセス(レベル4)に安住せず、常に新しい視点や技術を取り入れて、社会を最適化し続けるというレベル5の思想を反映しています。
  • 未来社会の実験場: 「未来社会の実験場」というコンセプトも、新しい技術やアイデアを試行・評価し、より良いプロセスへとフィードバックしていくという、CMMIレベル5の継続的改善の姿勢と完全に一致します。

レベル5の先へ

EIICHI

55年で社会の成熟度が2段階レベルアップしていることになりますね!CMMIはレベル5までですが、この先はどうなりますか?

Gemini

CMMIの公式なモデルでは、レベル5の「最適化」が最終段階とされています。しかし、この先を考えるなら、CMMIの枠を超えた「持続的進化」の段階があると言えるでしょう。

レベル5の先:持続的進化

CMMIのレベル5は、プロセスが継続的に改善され、組織が革新を自己駆動できる状態を示しています。しかし、これはあくまで既存の枠組み内での「最適化」です。これを超えるには、以下のような新たな次元が加わります。

  1. フレームワークの破壊と再構築(Disruptive Innovation): レベル5は、既存のプロセスをより良くしていく段階ですが、次の段階では、社会や技術のパラダイムシフトに応じて、これまでのやり方やフレームワーク自体を根本的に見直し、新しいものを創り出すことが求められます。これは、CMMIの枠組みを超越した、より高次の創造性を必要とします。
  2. 共創的進化(Co-creative Evolution): レベル5は主に組織内部の改善に焦点を当てています。しかし、次なる段階では、組織間の壁を越え、異なる分野や文化を持つ人々が協力して、予測不可能な未来を共につくり上げていくことが重要になります。これは、知識や技術を共有し、互いに影響を与え合いながら進化していく、生態系のような状態です。
  3. 内省と本質的価値の追求(Introspective Value Seeking): 産業化社会から情報化社会を経て、物質的な豊かさから精神的な豊かさへと価値観がシフトしています。次の段階では、何のために技術を進歩させるのか、「人類にとっての本質的な幸せや意味とは何か」を問い直し、その価値観に基づいて進化を方向付けることが不可欠となります。これは、技術や効率を追い求めるだけでなく、倫理や哲学といった要素が中心になることを意味します。

万博での適用

1970年大阪万博が工業化社会の成果を「見せる」ことで進歩を定義したのに対し、2025年大阪・関西万博は多様なステークホルダーが参加し、「いのち」という本質的な問いを通じて未来を共創しようとしています。これは、まさにCMMIのレベル5を超えた共創的進化の段階への移行を示していると言えるでしょう。

次の万博では

もし日本で次の万博があるとすれば、それは技術や経済成長だけでなく、人類が地球という制約された環境で、持続可能で幸福な未来をどのように内省し、創造していくかを問う場になるかもしれません。

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