第1章:プロジェクト管理とは? - 基本となる考え方– プロジェクト管理とRedmineの導入・活用法 –

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目次

プロジェクト管理の目的

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、プロジェクトを「独自の成果物を生み出す一時的な取り組み」と定義しています。

プロジェクト管理とは、限られた資源(人・時間・コスト)を効率よく活用し、目標を達成するための 体系的な取り組み です。その目的は、品質・納期・コスト・リスクを適切に管理し、プロジェクトを成功へ導くこと にあります。

プロジェクト管理を支えるフレームワーク

先のプロジェクト管理の目的を達成するために、さまざまなプロジェクト管理のフレームワーク が存在します。フレームワークとは、プロジェクトを効率的に進行させるための計画や管理手法を体系化したもので、国際標準や業界のベストプラクティスに基づいています。

プロジェクト管理の代表的なフレームワークには、以下のものがあります。

PMBOK

プロジェクトマネジメントの知識体系を体系化し、計画・実行・監視・制御・終結のプロセスを整理したフレームワーク。 (Project Management Body of Knowledge)

ISO 21500

プロジェクトマネジメントの国際標準として策定されたガイドライン。プロジェクトの各フェーズにおける管理を体系的に定義します。

PRINCE2

英国政府が推奨するプロジェクト管理手法。プロジェクトの計画と管理を重視し、具体的なプロセスと役割が定義されています。

P2M

日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)によって策定された、日本独自のプロジェクト管理フレームワーク。(Project & Program Management Standard Guide)

Scrum

アジャイル開発に特化したプロジェクト管理フレームワーク。主にソフトウェア開発の管理に使われますが、プロジェクト全体の管理にも適用できます。

フレームワーク共通の管理対象

これらのフレームワークには、PMBOKやISO 21500のように体系的な管理を重視するものもあれば、Scrumのように変化に適応しやすい仕組みを採用しているものもあります。

ただし、重点の置かれ方や具体的な管理方法に違いはあるものの、いくつかの共通する管理対象が存在します。これらは、どのフレームワークにおいても、プロジェクトの成功には適切な管理が不可欠であるとされています。

以下は、共通の管理対象について、特徴やフレームワークによる差異をまとめたものです。

スコープ管理(Scope Management)

プロジェクトの範囲(スコープ)を明確にし、計画通りに作業を進めるための管理を行います。スコープが適切に定義されていないと、追加要求(スコープクリープ)が発生しやすく、コスト超過や納期遅延の原因となります。

FWの差異: すべてのフレームワークで管理が求められる。

品質管理(Quality Management)

プロジェクトの成果物が求められる基準を満たすように管理します。レビューやテストを通じて品質を確保し、問題の早期発見・修正を行います。

FWの差異: すべてのフレームワークで管理が求められる。

コスト管理(Cost Management)

プロジェクトが予算内で完了するように管理します。リソースの最適化やコスト削減策の検討を通じて、無駄を防ぎます。

FWの差異: 従来型のフレームワーク(PMBOK、ISO 21500など)では明確なプロセスが定義される。Scrumではコスト管理が組織レベルで行われることが多い。

工程管理(Delivery Management)

プロジェクトが計画通りに進行し、期限内に完了するように管理します。進捗状況を可視化して遅延を防ぎます。

FWの差異: すべてのフレームワークで管理が求められる。Scrumではスプリント単位の柔軟なスケジュール管理が特徴的。

リスク管理(Risk Management)

プロジェクト進行中に発生する可能性のあるリスクを特定し、事前に対応策を講じます。リスクが現実化した際の影響を最小限に抑える計画を立てる。

FWの差異: すべてのフレームワークで管理が求められる。Scrumではリスクを柔軟に吸収する仕組みが組み込まれている。

変更管理(Change Management)

プロジェクトの進行中に発生する仕様変更やスコープ変更を管理するプロセスです。変更が発生した際には、影響範囲(コスト・納期・品質)を評価し、適切な対応策を決定します。

FWの差異: PMBOKやPRINCE2では明確に定義されている。Scrumでは「適応型アプローチ」として変更を前提に進めるため、固定的な変更管理プロセスは設けられません。

構成管理(Configuration Management)

プロジェクトにおける成果物のバージョン管理、変更管理、および整合性を維持するためのプロセスを指します。構成アイテムの特定、変更の追跡、リリース管理などが含まれます。

FWの差異: すべてのフレームワークで何らかの形で実施される。Scrumでは「継続的インテグレーション(CI)」や「プロダクトバックログの更新」として行われることが多い。

調達管理(Procurement Management)

プロジェクトに必要な外部リソース(ベンダー、外注、ソフトウェア、ハードウェアなど)の契約や発注を適切に管理します。調達先の選定やコスト管理、納期調整が重要となります。

FWの差異: PMBOKやISO 21500では明確に定義される。PRINCE2やScrumではプロジェクトの外で扱われることが多い。

コミュニケーション管理(Communication Management)

プロジェクトに関わるメンバー間での情報共有を適切に行い、誤解や情報不足による問題を防ぎます。特に大規模なプロジェクトでは、定期的なミーティングやドキュメント管理が重要になります。

FWの差異: すべてのフレームワークで重要とされる。Scrumでは「デイリースクラム」などの短い定期ミーティングを重視する点が特徴的。

※他にも、統合管理、資源管理、ステークスホルダー管理、ナレッジメントなどがあります。

まとめ

プロジェクトとは「独自の成果物を生み出す一時的な取り組み」であり、プロジェクト管理の目的は、品質・納期・コスト・リスクを適切に管理し、プロジェクトを成功へ導くこと にあります。

その目的を達成のために、さまざまなプロジェクト管理のフレームワーク が存在します。

ただし、重点の置かれ方や具体的な管理方法に違いはあるものの、いくつかの共通する管理対象が存在します。これらは、どのフレームワークにおいても、プロジェクトの成功には適切な管理が不可欠であるとされています。

  • スコープ管理 – 目標や成果物の範囲を明確にすることはプロジェクト成功に直結します。
  • 品質管理 – 成果物の品質は最終的な顧客満足度に直結します。
  • コスト管理 – 予算内でのプロジェクト実行は経済性を確保するために重要です。
  • 工程管理 – 納期を遵守することはプロジェクト進行の円滑さに不可欠です。
  • リスク管理 – 潜在的なリスクに事前に対策を講じることが成功の鍵です。
  • 変更管理 – 変更がプロジェクトに与える影響を管理し、適切に調整することが重要です。
  • 構成管理 – 成果物のバージョン管理と変更の整合性を保つためのプロセスです。
  • 調達管理 – 外部リソースやサービスの調達は、予算や納期に直接影響を与えることがあります。
  • コミュニケーション管理 – チーム内外での円滑な情報共有は、進捗に大きな影響を与えます。
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